ホーム > 三和生薬だからできること
私たち三和生薬は、附子(ブシ)を減毒加工した「加工ブシ末」の生産を始めて以来、附子にこだわって現在までやってまいりました。
私たちだからこそできる附子及び附子配合剤へのこだわりをご紹介します。
附子は、キンポウゲ科トリカブト属植物の塊根(かいこん)から得られる生薬(しょうやく)です。附子は中国では古くから医薬として登場し、虚寒症(きょかんしょう:抵抗力がなく弱って、体が冷えている状態)の患者の衰えた新陳代謝を改善し、疼痛、冷え、麻痺、弛緩などの諸症状の改善に用いられる重要な薬物です。
ご存じのように、トリカブトには強い毒性があり、そのままでは薬に用いることは出来ません。
中国では古くからこの危険な植物の根を薬として使うために試行錯誤を繰り返し、炮附子(ほうぶし)とする(塩水に漬けた後、炮じる)ことでその毒性を減じて使っていました。このように原料(生薬(しょうやく))を加工して医薬品としての価値を高めたり、副作用を減らすように加工することを「修治(しゅうじ)」と呼びます。
日本においても色々な研究がなされていましたが、大阪大学 薬学部教授の高橋真太郎博士(当時)が現代的な修治法として高圧蒸気処理で減毒加工する画期的な方法を開発したことに伴い、弊社が1963年に日本で初めてこの減毒法の製法特許を取得しました。
このことでその毒性を心配することのない附子の安定供給が可能になり、飛躍的に使い勝手が良くなりました。漢方薬にとって附子は欠かすことの出来ない重要生薬であるだけに、多くの症例に役立つことが出来たと自負しています。
以来、40年以上にわたって『加工ブシ末』及び『アコニンサン錠』を始め附子配合製剤を主力にした漢方製剤を製造しています。
漢方薬や生薬製剤のもととなる生薬は、植物・動物・鉱物の一部又は全てを乾燥などの簡単な加工を加えたものです。附子もまた植物であるゆえに産地、品種、収穫時期などの違いで成分含量にかなりのバラつきが見られます。 弊社では附子の成分含量のバラつきを少なくし、品質の安定を図るため、栽培条件の整った北海道虻田(あぶた)郡に専用農場を設け、附子の原植物であるトリカブトの品種改良と栽培の研究を進めてきました。
その成果として、「サンワおくかぶと1号」が1988年12月に品種登録されました。この「サンワおくかぶと1号」は従来のものよりも含有成分が高く、収量が多い等、とても優れた品種であるといえます。これにより成分含量の安定した品質の原料を供給できるようになり原料から製品までの一貫した生産体制が確立されました。また、収穫された複数年の附子を混合して製造することによって、成分含量のバラつきを最小限に抑える工夫をしています。このようにして、安全かつ安定した品質の薬を製造しています。
附子及び附子剤の品質管理について前述しましたが、他の原料生薬、漢方製剤及び生薬製剤においても、品質が一定の安全かつ安定した製品を製造するために、原料生薬の受け入れから最終製品に至るまで、製造部門と完全に切り離した品質管理部門で品質の確認を行っています。
近年、消費者に関心の高い残留農薬につきましても、原料生薬については日本薬局方に基づき、そして漢方製剤及び生薬製剤については日本漢方生薬製剤協会の自主基準に基づいた試験を行い、残留農薬の有無を確認しています。
弊社医療用製品の三和 真武湯エキス細粒、三和 麻黄附子細辛湯エキス細粒又は、一般用製品のサンワロンS、サンワロンCなどの附子配合剤は、すべての製品において、弊社自慢の加工ブシ(末)を使用していますので、安心、安全です。
神経痛や関節痛などの痛みまたは冷えなどでお悩みの方にお勧めです。