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※ 漢方に関してもっと詳しく知りたい方は日本漢方生薬製剤協会のホームページもご覧ください。
「証(しょう)」とは漢方独自の用語ですが、病人が示す様々な状態(=特徴)のことを言います。また、その人に備わっているもともとの体質や体力などを指す場合、あるいは抵抗力を指す場合もあります。
いずれにしても漢方では薬(処方)を選択する場合の重要な目標となるもので、4つの大きな診断法(望診(ぼうしん)、聞診(ぶんしん)、問診(もんしん)、切診(せっしん))があり、更に「陰陽(いんよう)」「虚実(きょじつ)」「表裏(ひょうり)」「寒熱(かんねつ)」「気血水(きけつすい)」などの独特の概念で証(しょう)を決定するので、西洋医学のような病名がなくても処方が選べます。
また、同じ病名でも違う処方になることもあります。
例えば風邪のような急性疾患では「証(しょう)」(Q1を参照)が合えば服用後数十分で効果が出ます。
慢性疾患の場合は、一般に有害作用の有無は2週間以内にチェックし、効果判定は1ヶ月程度を目安にします。全く変化がなければこの時点で再度処方を検討します。
いずれにしても、継続か変更かの判断は薬局・薬店に相談することをお奨めします。
西洋薬と比べれば、とても少ないですが副作用はあります。むくみ、胃もたれ、軽い発疹のような場合が多いですが、食物アレルギーがあるように、天然物だから安全とも限らないからです。いつもと違う異常を感じたら服用を中止し、すぐに医師またはお買い求めの薬局・薬店にご相談ください。
一般的には漢方薬と西洋薬を併用しても問題ないと考えられています。
しかし、病院で処方されている薬がある場合、ご自身で購入された漢方薬を併用することで予期せぬことがおこる場合もありますので、必ず主治医の先生にご相談の上、了解を得たうえで服用してください。
漢方薬は一般的には、食前(食事の30分~1時間前)や食間(食事と食事の間の事で食後2時間位)に飲みます。用法・用量の記載を確かめて、その指示に従って飲んでください。何らかの理由で、どうしても食前や食間に飲めない場合は、医師または薬局・薬店にご相談ください。
漢方薬が胎児に影響を及ぼしたという報告は現在のところありません。
但し、妊娠が判明した時点で、その後の服用については必ず医師または薬局・薬店にご相談ください。
妊娠中の体はとてもデリケートです。また、妊娠後12週に入るまでは赤ちゃんへの影響が最も大きい時期なので、どんな薬を服用する場合も必ず専門家へご相談ください。
漢方薬には妊娠前~妊娠中~出産後を通してずっと服用できる『安胎薬(あんたいやく)』と呼ばれる薬や、妊娠中のつわり、風邪、便秘、貧血、尿路感染などに服用可能な処方があります。
詳しくは医師または薬局・薬店にご相談ください。
薬の種類にもよりますが、お母さん・赤ちゃんの状態を総合的に判断する必要があります。乳汁に移行するとされる場合でもお母さんに吸収された成分のわずか1%以下と言われており、これが赤ちゃんにどの位の影響を与えるかを考える必要があります。
構成生薬として下剤に用いられる大黄が配合されている処方の場合、大黄の主成分であるアントラキノン誘導体は母乳中に移行して乳児に下痢を起こす可能性があることが知られています。大黄の入った漢方薬は授乳中は服用を避けるか、授乳を一時中止してください。
詳しくは医師または薬局・薬店にご相談ください。
よくたとえられますが、インスタントコーヒーとドリップコーヒーの違いと思ってください。エキス製剤は煎じた汁の水分を飛ばして粉末にしてから細粒や錠剤にします。
両者は全く同じとは言えませんが、エキス製剤は携帯も便利で煎じる手間もいらず、手軽に服用出来るので今では広く用いられています。
違います。原点は中国の古医書に基づきますが、江戸時代にオランダから西洋医学が伝来し「蘭方(らんぽう)」と呼ばれたため、日本の医学は漢に由来する医学ということで「漢方」と呼ぶようになり、この時期から日本独自に発達したものです。
中国の漢方薬は「中薬(ちゅうやく)」と言い中医学という考えに基づいています。
「中薬(ちゅうやく)」の中には日本と同じ名前の処方もありますが内容や配合比率、量などは同じとは限りません。
また、日本で製造販売される漢方薬は厳しい安全基準が定められていますが、外国製の場合、日本で認められていない農薬や添加物などが使われていることがあります。
漢方薬は、本来その香りや味も重要な薬効の一つです。しかし、どうしても苦手な人がいるのも事実です。止むを得ない場合はオブラートに包んで服用しても問題ありません。胃の中で早く溶けるように少し多めの白湯(さゆ)を一緒に飲むのを忘れずに!
「証(しょう)」(Q1を参照)の箇所で説明した様に、西洋医学の診断で同じ病名がついても、漢方医学的な診断が違う場合には使う薬も違います。自己判断で服用せずに必ず医師または薬局・薬店にご相談ください。
漢方薬はおだやかに効くというのが特徴ですが、少しでも早く症状が楽になると良いですね。効果的に効かせるためには『養生(ようじょう)』も必要です。
当たり前のようですが、食生活の見直し、規則正しい生活、腹八分目、体を冷やさない、運動をして血行を良くするなどを併せて行なえば体内が活性化して効果も一段と高まります。
その処方にあった具体的な養生法(ようじょうほう)はお買い求めの薬局・薬店にご相談ください。